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春を泳ぐヒカリたち(8/11)
翌朝ぼくは、べにちゃんが迎えに来る前に、家を出ていった。 こんなこと、ぼくとべにちゃんとの通園・通学人生、始まって以来のことである。 学校へはいかなかった。
春を泳ぐヒカリたち(7/11)
お釈迦(しゃか)さまとイエスキリストさまと閻魔(えんま)さまが、ぼくを取りかこんでいた。
春を泳ぐヒカリたち(6/11)
うずめたまくらの向こうに真っ暗闇が見え、ぼくはその底のさらに深い闇を目指して沈みつづけた。
春を泳ぐヒカリたち(5/11)
ネクタイはひょいと手紙をひったくるようにして受け取ると、表を見、そして裏を見た。
春を泳ぐヒカリたち(4/11)
べにちゃんは、かばんの中からうす桃色の封筒を取りだして、ぼくに差しだす。 ぼくは受け取るよりほかない。
春を泳ぐヒカリたち(3/11)
ある春の日のことだ。 ぼくは、しくしく泣きながら目覚めた。 夜中だった。
春を泳ぐヒカリたち(2/11)
――ああ、でも、本当におかしな話しなのだ。 おかしなことの上に、またおかしなことがあるのだ。 ほくの大好きなべにちゃんは、こんなネクタイのことが好きなのだ・・・
春を泳ぐヒカリたち(1/11)
ネクタイはいう。 「今日のぼくのジャケットはねぇ、フランス製で300ユーロもしたものなんだ。ユーロってわかるかな?」
エルとくるみとソラ(7/7)
「やっぱり、好きだったから。エルはもういないけど、やっぱり大好きだし、ソラもぜったいうちで幸せにするんだっ!」 くるみは決意をかかげるように、絵の具で色をつけ
エルとくるみとソラ(6/7)
「ソラと、仲良く、なりたい。うちに、いてほしい」 「そうか。よかった。ありがとうな」
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