けれどエルは、くるみたちが帰る前に息を引き取った。
家に帰ってすぐにお母さんが話してくれた。
『エルは、お空に旅立ったんだよ』
くるみの頭から、その言葉がはなれない。大泣きするくるみを、その日ずっとお父さんとお母さんはなぐさめてくれた。
でもその夜、ふたりだって泣いていたのをくるみは知っている。くるみが出かけたがったばっかりに、最後までいっしょにいることができなかった。
くるみのせいだ。
「エルッ!」
自分のさけびで苦しいゆめから覚めたくるみは、目を強くこすった。
「ほら、いやなんだもん。いつか、いなくなっちゃうんだから」
ぽつり、とくるみはつぶやいた。