ゴホンゾンサマ(3/3) 文と絵・中西恵子 じろうが、小さなリュックサックをあけると、とても小さなクリがいっぱいはいっていました。 「わあ、ちっこいクリだなあ」 「ほお、そいつはヤマグリだ。店で売ってるクリよりうんとあまくて、うまいぞ」 「ええっ、そうなの?」 「まちがいない。おかあさんにゆでておもらい」 「うん! トム、ありがとう!」 すると、トムはいつかのように、もうスピードでかえっていきました。 「さて、ポチのさんぽにいこうかい?」 「その前に、ゴホンゾンサマにお礼をいってこようよ」 「おお、そうだな」 2 / 3«123»