それから1か月がたちました。じろうが、じいちゃんとポチのさんぽにいこうとしたときです。
「わわわわん」
「わ、びっくりした。ポチ、どうしたの?」
むこうから小さな犬が走ってきました。
「トム? トムだね。またきたの?」
トムは、しっぽをぶんぶんふってやってきました。
「トム、ひさしぶりだね。あれ、またてがみをもってるんだね」
じろうは、トムのくびわにむすんであるてがみをとりました。
「じいちゃん、よんで」
「おや、いつかの子犬じゃないか。どれどれ」
『トムをじんじゃにつれていってくれたかたへ。
いつぞやは、どうもありがとうございました。おかげさまで、わたくしの病気もすっかりなおりました。お礼をトムのリュックにいれておきました。
どうぞ、おうけとりください』