「ハンバーガーじゃなくて、ほんとうはヒトだったの?」
あんこちゃんが前に読んだ本に、カエルがじつは王子さまだったっていうお話があった。
ひょっとしてこの子もまほうでハンバーガーにかえられていたのかも!
そう思ってあんこちゃんがきくと、
「ちがうよ。ぴりーこぱんは、パンだよ!」
なーんだ、ちがうんだ。ちょっとガッカリ。
かっこいい王子さまじゃなかったし、まあいいか・・・。
どうやら『ぴりーこぱん』っていうのはこの子の名前だったみたい。
「だけど、ぴりーこぱんだから、なんにでもなれるんだよ!」
そう言って、ぴりーこぱんはピーナッツにへんしんした。
やっぱり、くりくりおめめがついている。
「でも、このままじゃうごけないから」
と言って、ぴりーこぱんはまた子どものすがたになった。
あれ? さっきハンバーガーのすがたでジャンプしてたけど。
と思ったけど、あんこちゃんにはそれよりも、ききたいことがあった。
「ねえぴりーこぱん、どうして時計から出てきたの?」
ぴりーこぱんがとつぜんあらわれた、そのわけを知りたかった。
ぴりーこぱんは元気に答えた。
「あんこちゃんと、あそびたかったから!」
ずこーっ。あんこちゃんは、ずっこけた。
「きいてんのはそゆことじゃなーいっ!」
あんこちゃんはツッコミを入れた。
あんこちゃんが読んでいるマンガに、ツッコミでたたかうキャラクターがいて、とっても強い。
だから、あんこちゃんもツッコミを入れると、ちょっと強くなった気がする。