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はるの ききゅうたいかい 16リスや ネズミたちは、ちいさい ききゅうに のっています。
ときどき ききゅうが くっつくと、
あみーちゃんの ききゅうにも あそびに きてくれます。
とりたちも とんできて、おしゃべりして くれます。

花の かおりに さそわれて、ちょうちょも きてくれました。

はるの ききゅうたいかい 12
そして、とっても ふしぎなことが  おこりました。
やまざくらの 花たちが
いっせいに くうちゅうに うかびあがり、
ききゅうの ふうせんの かたちに なったのです。

やまざくらに つづけとばかり、
ほかの花たちも じまんの うつくしい 花を
ふうせんの かたちに していきます。

木のえだや ツタたちは、
まだやわらかい しんめを からませ
かわいい カゴに したてます。

はるの ききゅうたいかい 9つぎのひ、
あみーちゃんは はやおきして 森の 広場へ むかいました。

あかるい ひかりを あびて、
土の かおりの くうきを むねいっぱい すいこみます。

あみーちゃんの すんでいる きたぐにでは、
雪が とけるのを まっていたかのように
いっせいに 花が ひらきます。

さくらも うめも コブシも レンギョウも すいせんも ヤチブキも、
みな いっぺんに さくのです。

雪どけみずが そこここに 小川をつくり
キラキラ ながれています。

森の 広場は いろとりどりの 花たちと、
やわらかい しんめで かがやいて いました。

はるの ききゅうたいかい 6しょんぼりして、おうちに かえった あみーちゃんですが
ばんごはんの  あと、
じぶんで ききゅうを 作って みることに しました。

工作は とくいで、
ようちえんでは いつも 先生が ほめてくれます。
ひきだしに たくさん おりがみも 入っています。

ありったけの おりがみを つなげて、
まーるくなるように はっていきます。

でも だめでした。
いぜん テレビで 見たような
ほんものの ききゅうには ならないのです。

6 鬼ヶ島

momo_012ちいさな ちいさな 黒い コオニたちは

モモを おいこし さきまわり

モモが ゆくところ

(カタマッテイヨウ)と クスクス

モモに わかりやすいよう

(アツマッテイヨウ)と イヒイヒ

つねに いばしょを かえないと

モモの かおりに あつまってくる

ひとや モノたちが こみあう 陸から

モモは とうとう

海へ にげだした

momo_013

黒い 海流が うずまいた
モモは 落雷で 目が くらんだ

momo_014

黒砂糖の ような コオニたちは かたまって

大きな島の  カタチを 海に 流れる モモに みせた

こっちに おいで

こっちに おいで

黒い海流が モモを はこんだ

大波小波

げきりゅう あれる まっ暗な 海なのに

モモは 潮水すら のみこむことも なく

黒砂糖の 濁流に ささえられて

黒い 三角菓子のような 鬼ヶ島へと

うちあげられた

1 誕生

momo_001モモは

桃から うまれて
いい におい

momo_002あまい やさしい においに つられ

においを かぎたいもの

はねに その においを うつしたいもの

ほおずりを したいもの

もっと はなを ちかづけたいもの

あつまった あつまった

momo_003

あつまったものの なかには

ちょっと かんで みたいもの

なめるだけで いいという もの

くちの なかに いれたいと いいだすもの

みつを すいたいもの

たまごを うみつけたいもの

きけんな ものも

たくさん たくさん

あつまった あつまった

momo_004

おじいと おばあは

モモの あせから アメを つくり

この アメを たべて

どうか モモを たべないで おくれ、と

あつまった キケンなものたちを かえらせた

 

おじいと おばあは

モモの あせから アメをつくった

あわい桃のあまさに

ほんのり 塩味

あまさが よりきわだって

またたくまに 大ひょうばん!

 

アメを ほしがるものたちも

また たくさん たくさん

あつまった あつまった