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雨が あがった日、ひろしくんは
はじめて たくさんの 人間の かおを
うつしました。

人間たちは いいました。
「おおきいねえ。ひろいねえ。
まるで、海みたいだねえ」

おおじゃぐちは、とっても おおきかった。
おとなたちが  なんにんかで  まわしはじめた。
だけど なかなか  うごかなかった。

「ボクらも  てつだおう!」
「おー!」
さっき、いっしょに  あそんだ  カミナリの  こどもたちも  くわわった。
「えいや こらや  やっとこせ!」
ギ、ギギギ・・・と  おおきな  おとを  たてて  おおじゃぐちが  まわりはじめた。

ギギギィ~
ひときわ  おおきな  おとが  ひびいた。

ザンザカザー
つぎの  しゅんかん、おおあめが  ふったんだ。

ボウボウに  もえていた  もみのきの  ひは、またたくまに  ちいさくなった。
「よかった。やまかじは  ふせげたぞ!」
「やったぁーっっ!!」

ボクらは  みんなで だきあって  よろこんだ。

おまつりの  ほんばんは  やぐらの  うえでの  おおだいこ。
ドンドン  ガラガラ  ピッシャーン!!

「ひゃあ、すごいおと!」
あまりの  でっかい  たいこの  おとに、ボクは  クラクラした。
したの  まちを  のぞいてみたら、みんな  あたま  かかえて  はしっていくのが  みえた。

おそらの  もんの  そばでは、おおきな ひとがが  たっていた。
「どこ いってたんだ、ガラガラドン! まつりが  はじまってるぞ。 それに  そのコは、どこの コだ?」

ボクは、たかし。
しょうがく 3ねんせい。
なつやすみの しゅくだいで、ひまわりの かんさつにっきを つけている。
そのひも、ひまわりに みずを やろうと にわに でるところだった。

そしたら、ボクんちの にわに アタマに ツノのある おとこのこが おちてきたんだ。
ひゅー!
ボクは、すっごくビックリした。

でも、つぎの しゅんかんには おおケガしてないか しんぱいで かけよったんだ。

「だいじょうぶ?  ケガしてない?」
「いたたたた・・・! ヒザを  すりむいただけみたいだ」
めに  なみだを  うかべていたけど、げんきそうなので  ボクは、あんしんした。

きゅうきゅうばこから、ばんそうこうを だして  ヒザに  はってあげた。
「ボク、たかし。キミは?」
「おいら、カミナリこぞうの  ガラガラドン。たかし、たすけてくれて  ありがとな」

「でも、こまったね。どうやったら、キミを  おそらに  かえせるんだろ?」
ボクは、かんがえこんで  しまった。

そしたら、ガラガラドンが  ボクに  しつもんしてきた。
「ねぇ、たかしは、にじを  つくれる?」

「まずは ネックレスが どこに いったのか さがすんだ!」
はなの いい おおかみおとこが、かりてきた はこを クンクン。

「こっちの ほうから においが するぞ!」
おおかみおとこは、においを たどって どんどん まちの なかを すすんでいきます。
ほかの おばけたちも、いっしょに あとを ついて いきました。

ようやく みんなが たちどまったのは、まちの はずれの いっけんや。