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ゴキブリにんじゃは きれいずきで なければ ならんぞ!

くさくっては いばしょが ばれて しまうのでな。ふっはっはっはっ。


「んー、ゆめか、ステキなゆめだったなぁ、またヤコブと遊びに行きたいわ」

目をとじているのに、なんだかまぶしい

ゆっくり目をあけると・・・

「あれ、まだゆめ? 見える! 目が見える!おかぁさーん!」

あのヤコブとのゆめを見たあと、あたしの目はすっかりよくなった

みんなは妖精の奇跡と言ってよろこんでいた

でも、あのゆめを見たあと、ヤコブはあたしの前にあらわれなくなった

声も聞こえなくなった

そして・・・

村で妖精のイタズラもなくなった・・・


「すごい、ヤコブが見える」

まっくらな中にヤコブがいる

手のひらにのるほどの小さな妖精

「見えたかい、これが俺様さ、君に見てもらいたかったんだ」

「すごい、ヤコブすごい、やっぱり大妖精、奇跡をおこせるじゃない!」

「おどろくのはまだ早いよ、いくよ!  えい!」

「うわっ」

体がういたと思ったら、急にまわりが光にみちあふれた


この村には妖精(ようせい)の伝説(でんせつ)がある

その昔、イタズラがすきな妖精がひとりいて、
村人たちをこまらせていました

あるとき 村で奇跡がおこり、
村人たちはとてもよろこびました

でもそのあと、妖精はどこかへいなくなって
しまいました

村人たちは、妖精が奇跡を起こしたのだと
思うようになりました


〈おとうさんは あしたも おしごとです
べつの ひに おはなを うえましょう〉

おとうさんが ダンピちゃんに おことわりの おてがみを かいて
まくらもとに おこうと したときです。
おとうさんは あやまって たねの はこを ひっくりかえしました。

「いけない いけない
ひとつ ふたつ
みっつ よっつ いつつ・・・」
よはふけて いつのまにやら
もうじき よあけです。

あさに なりました。
ダンピちゃんは おとうさんを みつけて
おおよろこび。

「いっしょに たねまき しよう」


よるに なりました。
おでかけ しようとする おとうさんに
ダンピちゃん おてせい スタミナまんてんの
にんにくスープが よういしてありました。

〈えいようまんてんよ。のこさず たべてね。
おしごと がんばって〉

「げー おかあさんは わたしの きらいな たべものを おしえなかったのかな?」


あさに なりました。
ダンピちゃんは おとうさんの てがみを たのしみに よみました。

〈おはよう ダンピちゃん。
あかいマント とても かっこいいよ。
でも くろの マントのほうが おとうさんらしいかな。
いつか きて でかけるね〉

「わたし ぜったい きていってねって いったのに」