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この作品は、保育園の先生方から節分の行事に合わせ、紙芝居創作を依頼されたことをきっかけで生まれました。

以前、2歳児の女の子と遊んでいた時、草むらに小さな鬼がいるという見立て遊びをしたことがありました。
小さな鬼が草むらに隠れている設定で、「あっ! いたよ!」と私が声をかけ両手で捕まえる仕草をすると女の子はとても喜び、大はしゃぎでした。

それを何度も繰り返すうちに、大きな鬼がいたら怖いかも、と思いつき、私が「大きな鬼が来た~!」と怖がってみると、その女の子も一緒になって怖がりました。
楽しかったその遊びの記憶を思い出し、それをお話の基点に用いました。

普段、園庭で遊んでいる時、子どもたちは枝を折ってみたり、葉っぱを破いてみたり、お花を摘んたみたりする姿が見られます。
また捕まえてきたダンゴムシやアリを大事にバケツに入れて持ち歩く姿、虫かごに入れたかたつむりをじっくり観察する姿、そんな日常の子どもたちの姿からもお話のヒントを得ました。

時にはいたずらをしたり、友だちに意地悪してみたり・・・そんな姿もあります。
そういう時の子どもの姿を「鬼の子ども」に投影し、反対に優しい時は「小さな女の子」の姿でそれを表現しました。

主人公のまーくんは、赤鬼にやってくるとおびえて何もできなくなってしまいます。でも、その怖さを乗り越えて、豆をまいて鬼を追い払うという勇気ある行動に出ます。
このお話を通して人の心に住む邪、魔、弱さと呼ばれるネガティブなものを克服する一場面を伝えています。

最後に強い心、優しい心を持つ子に育って欲しいという願いを込めてしめくくりとしました。
2月4日は旧暦では新年にあたります。その前日に「魔を滅する」という意味から豆で魔を払い、良い年を迎えられますように。
古来日本人が節分の行事に込めた思いについて、改めて思いを馳せる機会になれば幸いです。

2019年5月に公開した絵本『くも もく もく くも』(前編)を動画でお届けします。
この作品は自分の祖父が亡くなってしばらくしてから描きました。
絵本の原案は弟が考えました。

普段、弟とは祖父のことなどは話をしませんし、ましてや生や死についても話すことなどもありません。
不変的なテーマではありますが、身近な人から改めて話を聞くと新鮮に感じました。
作品として公開できたことがうれしいですし、少しでも注目してくれる方がいればありがたいです。

2016年3月に公開した絵本『ぶたさん』を「新作の嵐」編集部で紙芝居風に作っていただきました!
うちの息子がまだ赤ちゃんの頃に考えた絵本です。ぶたさんの絵本でクスッと笑って楽しんでいただけますと嬉しいです。

この作品は、いま勤めている保育園で一緒に働いている同僚の先生から、「この園にハロウィンの紙芝居がないので、江森先生に作ってもらって子どもたちの前でぜひ読み聞かせして欲しい!」と頼まれたことがきっかけで生まれました。

ハロウィンの日に何をするのかを知らない子どもたちも多いので、お話を通してその行事を伝えられたいいなと思いました。
今回登場してくるおばけは、見た目は可愛らしいのに本当の姿がちょっと怖い!
このおばけはハロウィンの日に人間の子どもたちがしていることを見て、ハロウィンの日には家々を回ってお菓子をもらうということを覚えてしまいます。
その部分が子どもたちの目線と重なればいいなという意図を込めました。

そして、今回は朗読形式で絵本動画を作成してみました。紙芝居の読み聞かせを見る感覚でご覧いただけたら嬉しいです。
これからハロウィンを初めて体験する子どもたち、毎年ハロウィンを楽しみにしている子どもたち、おばけが大好きな子どもたち・・・大人も子どもも一緒になって楽しんでもらえたらと思います。