ふとみると、ベランダに ふえが ありました。
(こおにの ふえだわ。みつならないように かくしてしまおう。 そしたら、あめは ふらないわ)
ありちゃんは いそいで つくえの ひきだしの おくのほうに あまぶえを かくして しまいました。
ありちゃんは、しょうがく1ねんせい。
まいにち、ならいごとで いっぱい。
ピアノに バレエに こどもえいかいわ、いそがしくて やすむひまも ありません。
でも えんそくが きまったときは、それは それは たのしみに していました。
それなのに、あめが ふって、えんそくは、ちゅうしに なって しまいました。
ありちゃんは くやしくて しかたが ありません。
「ああ、いやだなぁ・・・どうして あめなんて ふるのかしら。
あめなんて なくなっちゃえば いいのに・・・。
ほんと、あめなんて だいっきらい!!」
ザンザカ、ザンザカ ザンザカ、ザンザカ
あめは やむようすは ありません。
ありちゃんは うらめしそうに そらを みあげました。