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ふとみると、ベランダに ふえが ありました。
(こおにの ふえだわ。みつならないように かくしてしまおう。 そしたら、あめは ふらないわ)

ありちゃんは いそいで つくえの ひきだしの おくのほうに あまぶえを かくして しまいました。

ありちゃんは、しょうがく1ねんせい。
まいにち、ならいごとで いっぱい。
ピアノに バレエに こどもえいかいわ、いそがしくて やすむひまも ありません。

でも えんそくが きまったときは、それは それは たのしみに していました。
それなのに、あめが ふって、えんそくは、ちゅうしに なって しまいました。
ありちゃんは くやしくて しかたが ありません。

「ああ、いやだなぁ・・・どうして あめなんて ふるのかしら。
あめなんて なくなっちゃえば いいのに・・・。
ほんと、あめなんて だいっきらい!!」

ザンザカ、ザンザカ ザンザカ、ザンザカ
あめは やむようすは ありません。
ありちゃんは うらめしそうに そらを みあげました。

すると おかあさんは にっこりと わらっていいました。

「ありちゃん、なかないで。おかあさん、どこの ボタンか わかったわ」
「えっ ホント?」

ありちゃんも キッキも ドッキドキ。


「あらあら、どうしたの?」
「あっ、おかあさん!」
ありちゃんの おかあさんが きてくれました。

ありちゃんは おかあさんなら きっと わかって くれると おもいました。

かいいぬ ピピちゃんの こやに きました。

ありちゃんは ピピちゃんを だっこして キッキを あてて みました。

「ボクたち そんなに まるく ないよ」
いぬの キバの ような かたちを した ボタンの さんきょうだいが こえを そろえました。

「わたしの おうちは どこなんだろう?」
キッキは ますます さびしそう。
「キッキ、きっと みつかるよ」

ありちゃんは ほかにも ないか へやを みわたしました。

おかあさんの おきにいりの ワンピースを だしてみました。
キッキを よこに おくと
「あら、いやだわ、わたしたち こうきゅうひんよ!  そんな やすものと いっしょに しないで」
なんだか とっても いばって います。

「やすもの なんかじゃ ないもん!」
キッキが くちを とがらせました。
「きにしちゃ ダメだよ、キッキ。 さっ、つぎ、さがしてみよう!」
ありちゃんは キッキを げんきづけようと おおきな こえで いいました。

ありちゃんは、ようちえんの  ねんちょうさん。ボタンが  だいすき。
おかあさんから  つかわない ボタンを もらって たからものに しています。

あるとき ありちゃんは へやのすみに ころがっている きいろいボタンを みつけました。
とっても キレイ!

「わぁ、すてき!  これ、もーらい!」
ありちゃんが、さっそく  たからばこへ  ボタンを  いれようと したときです。
「わたし、キッキ。まいごに なったの。みんなの ところへ かえりたいの」
きいろいボタンが ありちゃんに はなしかけて きたのです!

「えー、ボタンが はなしたー!」
ありちゃんは めをぱちくり。

バナナが食べたいシロクマくん4-1けれど、よーくみたら、たべものじゃ ありません。
サルくんは、しろクマくんに ききました。
「ここは、きたの くに ですか?」
「ちがう、ちがう」

しろクマくんも、サルくんに ききかえしました。
「ここは、みなみの くに だろう?」
「ちがう、ちがう」

じゃあ、ここは?
きたと みなみの、ちょうど まんなかでした。
ふたりとも、がっかり。でもーーー。

バナナが食べたいシロクマくん3-1したには、かわが ながれています。
みなみの くにから つづく、ながい ながい かわです。
ちょうど、サルくんの ボートが、むこうから やってきました。

「さ、さむーい! ぼくの くにに くらべたら、ここは れいぞうこの なかみたい」
ボートを こげば、おなかが すきます。
バナナを たべて、こいで、たべて。
「こんなに たべたら、きたの くにへ つくまえに、なくなっちゃう。やっぱり、おうちへ もどろうか・・・」

バナナが食べたいシロクマくん1-2そのころ、みなみの くにの、あつい あつい もりの なかで、サルくんが、ぶつぶつ ひとりごと。
「アイス、アイス、アイスが たべたーい!」
きのう、どうぶつえんに いる ともだちから、てがみを もらいました。
おやつに、アイスクリームを はじめて たべたって、かいて  ありました。
「いいなぁ。ここには、アイスなんて ないもんなぁ」